「物忘れ」は時々するけれど「認知症」は、まだ先の話・・・と思っている方も高齢化にともない、認知症患者の数は急増しています。その数なんと600万人以上。65歳以上の高齢者の3人に1人が認知症かその予備群というデータがあるそうです。今回は「物忘れ」と「認知症」にスポットを当てて予防や日頃の過ごし方についてお話したいと思います。
「物忘れ」と「認知症」の違い
加齢による物忘れは、認知症による物忘れと違って忘れたという自覚があります。忘れたことを覚えているのが「物忘れ」です。 認知症の場合と異なり、体験したことの一部を忘れても体験そのものは覚えているため、忘れたことに関するヒントがあれば思い出すことができます。若い頃でもこういったうっかり症状はありますよね、 さらに加齢とともに脳の機能は低下するため、どんな方でも物忘れは自然な老化現象だと考えられます。
では「認知症」の症状とは?忘れたことを覚えている「物忘れ」とは違い忘れたことを忘れているのが「認知症」です。
認知症による物忘れの大きな特徴は、物忘れの自覚がないことです。体験したこと全部を忘れてしまい、自分が忘れているという自覚もなくなります。
認知症の場合は「覚える力」が衰えるため体験したことを忘れてしまいます。体験したこと自体を忘れているので、体験したことを思い出すヒントを与えたとしても思い出すことはできません。
認知症が進行すると人格が変わってしまったり。単純な計算や日常動作ができなくなり、妄想・徘徊・暴言などを繰り返し。やがては家族の顔も、自分が誰なのかも分からなくなり日常生活にも支障をきたします。
老化による物忘れCheck!
▢ 知っている芸能人の名前が思い出せない
▢ 食事の献立を思い出せない
▢ 約束をうっかり忘れ、後で気付く
▢ 物をどこにしまったか忘れて探す
▢ 買おうと思っていたものをうっかり買い忘れる
認知症による物忘れの症状にあてはまる場合でもそれが認知症によるものかどうかはわかりません。気になる症状がある場合は、病院で検査を受けてみるのもいいですね!
認知症による物忘れCheck!
▢ 何度も同じ話を繰り返す
▢ 食事をしたことを覚えていない
▢ 約束したことを覚えていない
▢ 物をしまったことを忘れて盗まれたと言う
▢ 買い物へ行ったことを忘れて同じものばかり買ってくる
物忘れの症状は、程度や種類に個人差が見られます、老化や認知症が原因でない場合もあるので注意が必要です。物忘れが初期症状として現れる病気には次のような思わぬ「脳疾患」が隠れている場合もあります。
脳腫瘍・・・・・・神経系に関わる位置に腫瘍ができた場合に「物忘れ」を発症
くも膜下出血・・・前兆および術後に物忘れが発症しやすい
水頭症・・・・・・交通性水頭症の場合は物忘れの症状が出やすい
などの「脳疾患」があると大変です!気になる症状がある場合は、まずは病院で検査することをおすすめします。すぐに変化に気付ける様、日頃からご家族の様子を気にかけておくことも大事ですね!
生活習慣を整えて「物忘れ」や「認知症」の加速を予防しましょう!
物忘れを加速させる原因として考えられるのが生活習慣です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかっていると物忘れが悪化するリスクが高いと言われています。加齢は止めることはできませんが、生活習慣の改善は誰にでもできます。物忘れの加速を防ぐために生活習慣を見直しましょう。 では「生活習慣を見直す」と言われても、具体的にどうすればいいのでしょう? 次の事に気を使いながら生活すると良いとされています。
●適度な運動
まずは身体を動かすことが大切です。ウォーキングなどの適度な運動をすることは生活習慣病の発症リスクを低くするだけではなく、血流がよくなり脳の活性化にもつながります。
●趣味や習い事を楽しむ
好きな趣味を楽しむことで、手指をよく使い、考える事により脳のたくさんの機能を使うことにより認知機能の低下を防ぎます。
●コミュニケーションをとる
人と会話をすることは脳の働きに非常に良いとされています。地域のコミュニティなどに参加してコミュニケーションの場として活用されてはいかがでしょう?いろいろな人と楽しく会話することでストレス発散にも繋がります。
●バランスの良い食生活
好きな食べ物を食べるのも良いのですが、それではどうしても栄養バランスが良く有りません、ちょっと意識をして物忘れ予防に効果的とされている食材を取り入れてみてはいかがでしょうか?
●睡眠をしっかりとる
寝付きが悪くなかなか眠れない方も多いと思います、そういった時は、1日の過ごし方を見直す必要があります。まずは日中は太陽の光を浴び体内時計をしっかり起動させましょう!適度な運動も大切です。また就寝の1~2時間前に入浴し、お風呂で上がった深部体温を下げてから布団に入ると眠りにつきやすくなります。
認知症予防に役立つ食べもの
【青魚】
さば、いわし、さんまなどの青魚にはEPAやDHAが多く含まれています。 EPAは血液をサラサラに、DHAは脳の働きをよくするといわれています。
【緑黄色野菜、果物、ナッツ類】
ビタミンを多く含み、抗酸化作用などから脳の老化を阻止するといれています。
【緑茶、赤ワイン】
緑茶やワインに含まれるカテキンやポリフェノールは、脳の神経を保護するといわれています。
【コーヒー・緑茶】
コーヒーに含まれるクロロゲン酸、緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールも、認知症予防に有効な成分といわれています。抗酸化作用によって、アルツハイマー型認知症の原因となるといわれているアミロイドβの蓄積を抑える効果が期待できます。また、カフェインの利尿作用には、血液中の不要なたんぱく質を排出させる働きもあります。
この他にも、大豆製品やカレーのスパイスでも使われるウコン(ターメリック)やオリーブオイルも動脈硬化予防に役立ち認知症予防に繋がると言われています。
認知症の発症リスクを高める食べ物
【肉の脂身】
脂身や背脂、ラードといった動物性の脂肪には、飽和脂肪酸が含まれています。飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、摂取しすぎると脳梗塞などが原因の脳血管性認知症が発症するリスクも高まります。
【マーガリン・ショートニング】
マーガリンやショートニングには、脂肪酸の一種であるトランス脂肪酸が含まれています。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化などの原因となります。ファストフードやお菓子などにも多く使われていますので、食べ過ぎには注意が必要です。
【菓子パン】
菓子パンには、先述したマーガリンやショートニングが多く含まれています。また、砂糖や小麦も悪玉コレステロールの増加につながるため、菓子パンなどを多く食べるような食生活は避け、過度な摂取に注意しましょう。
【過度な飲酒】
過度な飲酒は、脳の委縮や認知症のリスクが高まる原因となります。健康維持のためにはアルコール摂取は程々に控える方が良いですね。
その他に、過度なカロリー摂取、肥満は認知症の発症リスクが高まる要因の一つとされています。塩分の摂りすぎ、当分の摂りすぎは認知症だけでなく、高血圧や動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。
今回は認知症についてお話しましたがいかがでしたか?認知症を予防するために自分で取り組める事はたくさんありますね! 「気づいたときが始め時!」早速、今日からでも、軽い運動を取り入れて、自炊をして食材に気をつけて健康維持に取り組んでみてはいかがでしょう?