みなさんは「ダッバーワーラー」という職業をご存知ですか?
「ダッバーワーラー」とはインドの大都市ムンバイでやっている、
“家庭で作ったお弁当を会社の勤務先に届けてくれる”というユニークな配達サービスの事です。
このダッバーワーラーが知れば知るほど凄いんです!
ムンバイ内で一日に運ばれるお弁当の数はなんと20万個!
自転車や電車で色々な人の手に渡って運ばれるのに、ミスがほぼ無いなど、
日本では考えられない凄いお仕事です。
今回はお弁当の配達人ダッバーワーラーについて深掘りします!
▋わざわざ家のお弁当を配達させる理由
普通に考えて、朝作ったお弁当を持っていけば配達しなくていいのにと思いませんか?
さらに言うとお弁当ではなく、外でランチしに行けばいいのにとも思います。
実はインドのムンバイの人々が、わざわざお昼に家で作ったお弁当を配達させるのは真面目な理由があります。
それはインド特有の食事に関する考え方や、宗教・文化が関係してきます。
まず、日本と違ってインドでは、食事は出来立ての温かいものを食べる!
というこだわりがあるそうです。
たしかにインド料理は熱々で食べた方が美味しい物が多いですよね、
インドの人々は朝作って冷めてしまったお弁当は食べないんですね〜。
もう一つの理由は多宗教のインドは人によって食べられない物が色々あります。
例えば、ヒンズー教徒は牛肉、イスラム教徒は豚肉、または菜食主義者や非菜食主義者なども多くいます。
食材の制限があるため、簡単に外食でランチ!ということもできません。
そこでやはり、食事の制限を理解している、自分の家族や奥さんが作った料理がいいんですね〜。
▋まるでお弁当のリレー!運び方が凄い!
さて、ムンバイの人たちがお弁当を配達する理由を知ったところで、
次は本題のダッバーワーラーの凄い仕事ぶりお話します。
まずイメージしやすいように、インドのお弁当箱がどんな物かご紹介!
インドでよく使われるお弁当箱は、ステンレス製のダッパーという種類のものです。
何段かに重ねることできて、密封性と保温性、また強度も強いのが特徴です。
そのダッパーに、奥さんや家族の方は出来立て熱々の昼食を詰めて、
配達屋のダッバーワーラーに渡します。
ダッバーワーラー達は家々をまわりお弁当箱を受け取り、
自転車に何十個もくくり付けて、
収集場所の最寄りの駅で集めていきます。
そこから目的地別の運搬具に振り分けられ、列車で運ばれます。
お弁当箱は目的地の駅に着くとさらに配達先ごとに振り分けられ、別のダッバーワーラーに引き継がれます。
ダッバーが数十個乗った運搬具の重さは60キロほど、それをダッバーワーラー達は頭に乗せて(!)運び、各々の職場に届けられます。
お弁当箱の移動距離はなんと長いところで70km(!!)
点と点をつないで運ぶこの方法ですが、誤配がほとんど無いことで有名、
一年間1億2,240万個の配送で誤配は420個以下となっています。
▋ダッバーワーラーを生業とする人たち
ダッバーワーラーの総数は約5000人と言われています。
そして一人ひとりが個人事業主です。
自ら顧客を開拓して、信頼関係を築き価格交渉を行います。
またダッバーワーラーの多くは高等教育を受けておらず
文字を読むことができない人も多いです。
更にいうと、そういう特定のコミュニティやカーストの
人たちを率先して採用いているもダッバーワーラーの特徴かもしれません。
それは彼らの大切な働き口だからです。
▋まとめ
インドの多様な文化や宗教、さらに複雑なカースト制を背景に発展してきた
ダッバーワーラー…奥が深いですね!
興味が湧いた方はインド映画「めぐり逢わせのお弁当」を見ると
情景がもっと見えてくると思います。
他国の文化や風習を学ぶのは好奇心をワクワクさせて面白いですね!
今日もムンバイでは、たくさんのダッバーが運ばれているのでしょうね!
お読みいただきありがとうございました^^