7月になると、博多の街がソワソワしはじめる。男たちの掛け声、太鼓の音、ふんどし姿が当たり前になるこの季節──そう、博多祇園山笠の季節がやってくる!
700年以上も続く伝統行事だけど、実は知れば知るほど「へぇ〜!」がいっぱいの祭りでもあるんです。
今回は、そんな山笠のちょっとした豆知識や面白いうんちくをざっくばらんにご紹介。
これを読めば、山笠を観に行くのが何倍も楽しくなるかも?
▋基本情報/概要
・正式名称:博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)
・開催時期:毎年7月1日〜15日
・主催神社:櫛田神社(くしだじんじゃ)
・起源:1241年、疫病退散を祈願して僧・聖一国師が施した祈祷に端を発するとも言われます。
▋博多祇園山笠とは?
博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)は、福岡市博多区で毎年7月1日から15日まで行われる、700年以上の歴史をもつ祭りです。博多の総鎮守・櫛田神社(くしだじんじゃ)の神事として行われ、「山笠」と呼ばれる大きな山車(だし)を男たちが担いで街中を全力で走り抜けるのが最大の見どころです。
このお祭りには、神様への感謝や、無病息災、厄払いの意味が込められていて、地元の人々にとっては特別な行事です。
山笠には2種類あります
舁き山笠(かきやま)
実際に人が担いで走る山笠。高さ約5〜6m、重さ約1トン。
担ぎ手は基本的に男性限定で、「締め込み(ふんどし)」姿で参加します。
飾り山笠(かざりやま)
見る専用の豪華な山笠。高さは最大で13mを超えることも。
表は歴史上の人物や伝説、裏面はアニメや映画など現代的な題材も多く、観光客に人気です。祭り期間中は市内各所に展示され、写真スポットとしても大人気!
▋人に話したくなるうんちく
●追い山笠のスタートは午前4時59分と微妙な時間
7月15日に行われる山笠のクライマックス「追い山」は午前4時59分と微妙な時間からスタートします。
これは、一番山笠が「博多祝い唄」を歌うのですが、その時間として1分間前倒ししているからです。
●走るスピード、実はめちゃくちゃ速い!
重さ約1トンの舁き山を、時速10〜15kmくらいのスピードで走るそうです。
道路のコーナーを曲がる時の迫力と危険さは、スポーツ競技並み。
●追い山の最速記録、実は“ほぼ不可能な記録”
過去に出た追い山の最速タイム(例:27分台)は、
今のコースやルールでは絶対に再現できないと言われています。
理由はコース変更や安全対策で、スピードを出しづらくなっているため。
ある意味、永久に破られない伝説の記録です。
●博多の会社や学校は山笠を“優先”する⁉
山笠期間中、舁き手が山笠の練習などで会社を遅刻や早退・欠勤しても
問題にならない事が多いです。会社全体で舁き手をフォローする事が当たり前なのです。
●祝いめでたは手拍子ではなく実は手揉みしている。
博多ではハレの日に「祝い目出度(めでた)」という歌を歌います。
博多祇園山笠でも一番山笠が櫛田入りをする際に参加者全員で手拍子をしながら歌たうのですが、
よく見ると手拍子ではなく、手を打った瞬間に揉んでいるのがわかります。
実際にやってみると、結構通っぽく見えるのです。
●『胡瓜断ち』
山笠期間にきゅうりを食べるのは縁起が悪いというのは有名な話です。
理由は山笠の神紋が輪切りにしたキュウリの形に似ているという説や、
体を冷やす食べ物だから、食べ過ぎると体調を壊しやすくなるからという説もあります。
▋さいごに
いかがでしたか?
勇壮で華やかな表舞台の裏には、こんなにも奥深くて面白い「うんちく」が詰まっているのが、博多祇園山笠のすごいところ。見るだけでも圧倒されるけど、ちょっとした知識があるだけで、その迫力や感動が何倍にもふくらみます。
700年以上続くこのお祭りが、今なお地元の人々に大切にされ、毎年あの熱量で開催されているのは、ただの伝統行事だからじゃありません。“自分たちの誇り”として、心から楽しみ、守ってきたからこそなんですよね。
もしこの記事で少しでも「山笠、おもしろいかも」と思ってもらえたら、次はぜひ現地で体感してみてください。
「オイサ!」の掛け声とともに走る山の熱気に、きっと心が揺さぶられるはずです。