日本人に古くから愛されるそうめんの歴史

日本人に古くから愛されるそうめんの歴史

2024年7月7日更新

 暑い夏に食べたくなる、つるんと冷たいそうめん!今回は、手延そうめんの歴史やおいしいそうめんの見分け方など、そうめんについてお話したいと思います。

 

そうめんの歴史

 

 そうめんの起源は奈良時代にまで遡ります。そうめんは中国で作られていた索餅(さくべい)と呼ばれる唐菓子が、奈良時代に日本に渡ったことが起源とされています。当時の日本の中心であった奈良県が発祥の地とされています。索餅(さくべい)は小麦粉を練った生地を縄のような形にして油で揚げたものです。

 索餅は平安時代に七夕の儀式で供物として献上されていたことから、7月7日は「そうめん」の日とされています。当時は、身分の高い人が客人をもてなすための料理として扱われていたり、宮廷へ献上されるような高級食材でした。鎌倉時代になると索麺・素麺(そうめん)という記載が歴史書で見られるようになり、お菓子から麺状に姿を変えていることが伺えます。

 今ではいつでも食べられる食材になりましたが、江戸時代に入りそうめん作りが盛んになったことで一般の人でも食べられるようになりました。奈良時代から現在まで、およそ1700年前から、そうめんは存在していたんですね!また平安時代の書物に「七夕にそうめんを食べると大病にかからない」と書かれ、宮中から庶民に普及したと伝えられています。七夕のメニューで「そうめん」が多く使われるのは、この書物がルーツなのかもしれませんね!

 

 

おいしい素麺の見分け方

 

 スーパーでも簡単に手に入る「そうめん(乾麺)」全国には多くのそうめん産地があり、人気の手延べそうめんなど、いろんなそうめんが販売されていますね、ネットで全国各地から手軽にお取り寄せ購入できるようにもなりましたが実際購入してみると「あまり美味しくなかった」「思っていたものと違う」など、期待ハズレや失敗経験もあるはず。そこで、失敗しない、素麺の選び方をご紹介いたします。

 

当たりハズレのある格安そうめんはなるべく避ける

 

 格安そうめんは、やはり原材料もコスト重視の安価な材料が多く、質より量というような低コストで製造され、低価格で販売されています。しかし有名小売店の中には製造メーカーと共同で商品開発をし、コストパフォーマンス、クオリティ共にとても優れたプライベートブランド商品もありますので、有名な素麺店とプライベートブランドがコラボしている商品は狙い目かもしれませんね!それから、これは個人の見解ですが、麺が細いほど、安くても美味しいと感じました。

 

「手延そうめん」を選ぶ

 

 素麺には、手作業で作られた「手延めん」と機械で作られた「機械めん」があります。

【機械そうめん】

 機械で作られたそうめんの事を「機械めん」と業界では呼ぶそうです。機械めんは小麦粉を塩水でこね、塊となった麺生地に圧をかけ薄~く板状に成形しそれを規格の太さに合わせた、くし状の裁断機(ロールカッター等)で裁断し乾燥したものです。

 

【手延べそうめん】

 「手延べめん」とは、その名の通り手作業で延ばしてひねりを加える製法です。小麦粉を塩水でこね、塊となった麺生地を一定程度の太さに切り出し、数本を重ね合わせて圧をかけ麺の基礎となる麺帯を作り上げます。手作業で引き延ばし裁断せずに細く伸ばすため丸い断面となります。断面を丸くすることでめんの中心に芯が通り、強いコシが生まれます。のどごしが良く弾力と歯切れの良さが手延べそうめんの特徴です。

 手延べめんは機械めんに比べ時間も手間もかかったぶん、お値段も少々お高いですが、美味しい麺をお楽しみいただけるのは、やっぱり手延べそうめんです!

 

「熟成そうめん」って知ってますか?

  熟成そうめんは、製造後のそうめんを専用の倉庫で管理保管します。熟成中のそうめんは、高温・多湿の梅雨時期に小麦粉内に含まれる酵素が働き、そうめん内の脂質が変化していきます。 これがそうめんのデンプンや蛋白質に影響を与え、そうめんのコシや舌ざわりがさらに良くなり、洗練した味わいになります。 熟成そうめんは茹でてものびにくいのが特徴です。製造から2年目の梅雨を超えたものは「古物(ひねもの)」、製造から3年目の梅雨を超えたものを「大古物(おおひねもの)」と呼ぶそうです!

 通常より少々お値段が張り、なかなかスーパーでは見かけない商品ですが、、贅沢なのどごしとコシの良さは是非味わってみたいですね!

 

 

 

そうめんでおいしくアレンジ!

 

夏の風物詩ともいえる「そうめん」冷たく冷やして食べるのはもちろん、つけダレのアレンジを楽しめますね!ピリ辛ゴマダレやグリーンカレーをつけダレにしたり、トマトたっぷりのつけダレでサラダ風にしてもいいですね!

冬は温かいそうめん「にゅうめん」などもおすすめです!温かいうどんのスープに茹でたそうめんを入れても良し、味噌汁に入れてもよし、ラーメンスープに茹でたそうめんを入れても美味しいですよ!固めに茹でたそうめんをいろんな野菜と一緒に味付けし炒めたり、茹でたそうめんの水をよく切って揚げるとパリパリ麺になったりします。そうめんの楽しみ方はいろいろあるんですね!ちなみに、そうめんを冷やして食べるときは「そうめん」温かくして食べるときは「にゅうめん(煮麺)」と呼ばれています。

 

 

まとめ

 

一言に、そうめんと言っても、機械で作られた「機械めん」や手作業で作られた「手延べそうめん」があることがわかりましたね。はたまた「熟成そうめん」とやらが存在するということもわかりました。コシが強く切れが良いそうめんを是非食べてみたいものです。

もうすぐ七夕です「七夕にそうめんを食べると大病にかからない」と言われていた平安時代の風習を真似して、七夕のメニューは「そうめん」にすのもいいかもしれませんね♪