お盆といえば、先祖の霊を迎え、感謝と供養の気持ちを伝える大切な行事です。
中でも、幻想的で厳かな「精霊流し」と、にぎやかで心弾む「盆踊り」は、地域ごとに独特の風習が残り、夏の風物詩として人々に親しまれています。
ということで、今回のコラムでは日本各地で行われている
神秘的で幻想的な夏の盆行事をご紹介します♪
各地の夏の盆行事
▋ 豪華絢爛な「精霊流し」(長崎県 )
長崎の精霊流しは、爆竹の音とともに華やかな船を引き回す賑やかな行事です。
故人の霊をあの世へ送るために、家族や親戚が手作りの精霊船を飾り付け、
夜の街を進みます。
灯籠の淡い光と爆竹の響きが交差する風景は、長崎独自の送りの文化です。
開催日:2025年8月15日(金) ※毎年この日に開催
場所:長崎市内中心部(思案橋〜県庁坂〜大波止など)
▋ 踊る阿呆の「阿波踊り」(徳島県 )
「踊る阿呆に見る阿呆…」の掛け声で知られる阿波踊りは、日本三大盆踊りのひとつ。
踊り手たちは提灯の明かりの下、リズムに乗って町を練り歩きます。
踊ること自体が先祖供養とされ、見る者も一緒に参加することで、会場全体が一体感に包まれます。
開催日:前夜祭「匠の舞台 優りび」:8月11日(月・祝)
本祭「夢の舞台 祭りび」 :8月12日(火)〜15日(金)
▋ 夜通し踊る「郡上踊り」(岐阜県)
岐阜・郡上八幡で行われる郡上踊りは、日本一長い盆踊りシーズンとして知られ、
7月中旬から9月まで続きます。特に8月の「徹夜踊り」は、夜通し踊り明かす熱気に満ちた祭りで、
地元の人と観光客が一体になって夏の夜を楽しみます。
開催日:2025年7月12日(土)〜9月6日(土)
うちお盆の徹夜踊りは8月13日(水)〜16日(土)の4 夜間
場所:郡上市八幡町の中心街(新町〜本町〜橋本町など)
▋「西馬音内盆踊り」(秋田県)
秋田の西馬音内(にしもない)盆踊りは、しっとりとした哀愁を帯びた踊りが特徴です。
踊り手は藍染めの浴衣と黒頭巾で顔を隠し、静かで優雅な舞を披露します。
どこか幽玄な雰囲気が漂い、先祖の霊とともに踊っているかのような独特の世界観が魅力です。
開催日:2025年8月16日(土)〜18日(月)
場所:羽後町西馬音内 本町通り(町内中心地)
▋「五山送り火(大文字焼き)」(京都府)
京都のお盆といえば、8月16日の五山送り火が有名です。
「大」「妙・法」「舟形」「左大文字」「鳥居形」の五つの山で一斉に火が灯され、
夜空に浮かぶ文字や形で先祖の霊を見送ります。夏の夜に浮かぶ炎は、幽玄で荘厳な光景です。
開催日:2025年8月16日(土) 夜8:00頃点火(五山の文字や形を順に灯す)
場所:京都市内各山
おわりに
日本の夏を象徴する精霊流しや盆踊りは、先祖への感謝と祈りを形にした行事です。
地域ごとに異なる灯の色や太鼓の音、踊りの所作には、何百年も受け継がれてきた人々の思いが込められています。
賑やかな踊りや静かに流れる灯籠に触れることで、「自分のルーツや命のつながり」をあらためて感じられるかもしれません。今年の夏は、そんな日本の原風景に心を寄せながら、夜の風情を楽しんでみてはいかがでしょうか。