暑い国の食文化に学ぶ、夏の過ごし方

暑い国の食文化に学ぶ、夏の過ごし方

2025年8月6日更新

照りつける日差し、むっとした空気、食欲もどこかへ飛んでいきそうな真夏の昼下がり。毎年この時期になると「どうやってこの暑さを乗り切ろう?」と頭を悩ませてしまいますよね。そんなとき、ふと目を向けてみたいのが、赤道近くの“暑さに慣れた国”の食卓。実はそこには、夏を元気に、そしておいしく過ごすための知恵がたっぷり詰まっているのです。

様々な暑い国の食文化

 

気温35度超えの日が続くと、「もう何も食べたくない……」なんて思ってしまいがち。
でも、そんな過酷な暑さと長年つきあってきた国々には、
体にやさしく、しかも美味しく夏を乗り切るための知恵がたくさん詰まっています。

 

東南アジア(タイ・ベトナムなど)

 生春巻き(ベトナム)

 

東南アジアでは、ハーブや香辛料をふんだんに使った料理が日常的です。
トムヤムクンやフォー、生春巻きなど、さっぱりしながらもしっかり味があって、
食欲がない日にもスルッと入ってきます。

 

ハーブたっぷりな料理(ベトナム)


さらに唐辛子の辛さやパクチーの香りは、食欲増進や発汗作用があり、
体温を下げる助けにもなっているんです。

 

 

南アジア(インド・スリランカ・パキスタンなど)

 

南アジアのインドやスリランカでは、カレーのイメージが強いですが、

実は「ラッシー」や「ライタ」など、体を内側から冷やすヨーグルト系の料理も夏の定番。

 

ライタ(インド)

 

肉料理にはミントチャツネを使って食欲を刺激しつつ、

清涼感を出してさっぱりと食べるのがインドの家庭ではおなじみの食べ方です。

さらに、アーユルヴェーダの考え方に基づき、

スパイスをうまく料理に取り込み、暑さで弱りがちな消化器官を整える役割も果たしています。

 

中東や地中海沿岸(トルコ・レバノン・モロッコなど)

 

 

中東や地中海沿岸地域では、冷やしたひよこ豆のペースト「フムス」をパンに付けて食べたり、

タブーリというミントたっぷりの冷たいサラダを食べる文化があります。

 

タブーリ(レバノン)

 

野菜や豆を中心としたヘルシーな料理が多く、暑さの中でも無理なく栄養をとれる工夫がされています。

スパイスよりもハーブやオリーブオイル、レモンなどの爽やかな味付けが特徴です。

 

中南米(メキシコ・ペルー・ブラジルなど)

 

中南米でも、気候に適応した食文化が根づいています。

 

セビーチェ(メキシコ)

 

魚介をレモン汁でマリネした「セビーチェ」や、

スイカやライムなどをたっぷり使った「アグア・フレスカ(フルーツドリンク)」など、

酸味や冷たさを味方にしたメニューが多く、暑い日でもスルッと食べられるのが魅力です。

 

アフリカ(北アフリカ・西アフリカなど)

クスクス(アフリカ)

 

アフリカでは、ミントやレモンを効かせた「クスクスサラダ」やビタミンたっぷりの

「バオバブジュース」など暑さに負けない栄養を補給できる食材が活用されています。

スイカやマンゴー、バオバブなど、水分とビタミンが

豊富なフルーツもよく食べられており、自然と一体になった食文化が見られます。

 

まとめ

 

こうして見てみると、どの地域でも共通しているのは、「冷たい料理をうまく使う」「スパイスや酸味で食欲を引き出す」「野菜や豆など、体にやさしい食材を取り入れる」といった工夫です。

どれも、私たちの夏の食卓にも取り入れられるヒントばかり。

この夏は、少し視点を変えて“世界の暑い国”の知恵を取り入れてみませんか? いつもの食卓に新しい風が吹き、暑さとのつきあい方がちょっと楽になるかもしれません。